通信の一回目・二回目で整体の全体像を説明させて頂いたので、
その中の一つ一つを細かく説明しようと思っていました。

しかし、生活の中で実際に役立つ整体の知恵が
皆さんが最も気になるところだと思います。

そこで、生活術の中で最も便利で活躍する
「温法」をご紹介したいと思います。
からだの変化も分かりやすく、
身体への信頼感を得る第一歩になるでしょう。

打撲や捻挫、痛みのある時に、
その部分を冷やした方が良いのか温めた方が良いのか
という質問はよくあります。

 

 

一般的には、急性の炎症や打撲などの場合は
”冷やす”のが常識になっています。

私も学生の時のクラブでは、
コールドスプレーで冷やしましたし、
子供の頃に発熱した時も
氷枕や冷たいタオルで額を冷やしたりしていたので、
炎症や発熱などで熱を持ったら、
冷やして熱を下げるのは当たり前だと思っていました。

整体では、火傷と熱中症以外は
基本的には冷やさず、温めます。

一般的には、急性の炎症や打撲などの場合は
冷やす”のが常識になっています。

「何故?」と思いました。

その疑問が解決するキッカケになったのは、
整体の病気に対する考え方でした。

例えば、食べ物が悪かったので胃や腸が壊れて
下痢をする・吐くのではなく、
不要な物を排泄しようと、
胃や腸が活発に働くから下痢や吐いたり胃が痛くなる。

それは、身体の防衛のための反応であり、
それが症状として表れていると。

その症状を薬物を飲んで止めるのは、
身体の”防衛”の邪魔をしていると考えるわけですね。

同様に、熱が出るのは身体に異常が生まれているからで、
身体の異常に対する抵抗・回復作用であるということで、
これは、身体の働きが高まった状態になっている。

逆に、生きる働きが高まっていなければ、
急性病にもなれない身体になっているということです。

それを、外から冷やしたり解熱剤を飲むということは、
熱を奪ってしまい、身体の働きを鈍くしてしまう。

そのため、風邪を始めとした病気に対して、
整体では、「うまく経過させる」ようにします。

 

 

きちんと経過すれば、蛇の脱皮のように身体が丈夫になるので、
”治す”ものとしては捉えていません。

そのため整体では、”温法”と言って、
温めることで身体を調整する方法がいくつかあるのです。

足湯やアイピローで眼を温めるというのは、
一般的にも馴染みが有ると思いますが、通常は、
「気持ち良いな~」というリラクゼーション的な印象だと思います。

もちろんそれも良いですが、
ちょっとしたやり方を知っていると、
体を整えたり、痛みを和らげたりしてくれます。

温法は、大きく分けて、
お風呂の入り方、部分浴、温湿布といったところですが、
その中で様々な場面で頼れる温湿布と部分浴をご紹介します。

温湿布は、基本的には蒸しタオルを患部に当てる。
それだけです。

昔の喫茶店では、今のように使い捨ておしぼりではなく、
蒸しタオル・ホットタオルがお水と一緒に出てきましたね。
それを顔に当てて「あ~~」と至福の時を味わったものです。

 

 

あれです。

といっても、一般の家庭にタオルを温める機械なんて有りませんよね。

そこで、電子レンジを使います。
小さめのタオルを水に濡らして絞り、20秒程チンする。

ホッカホカです。

元々は、タライに熱湯を入れて
タオルの端をもって真ん中だけお湯に浸して絞ります。

電磁波を気にして電子レンジを使っていない方は
このようにすると良いでしょう。(火傷しないようにね)

タオルが冷えてくるので、これを2~3回繰り返します。

できるだけ小さな部分に当てるようにして、
眼など左右のある部分は、
両方ではなく、片方のみ行います。

 

 

細かいことを言えば、
何本もタオルを用意して次々取り換えるのではなく、
一本のタオルで行って下さい。
温めなおしている時の温度差も効果に影響してくるので。

また、タライで行う場合は、
湯の温度が下がってしまいます。
そこで差し湯などをして、取り換える毎に、
前よりも少し温度が高くなる方が良いです。

別の部分もやりたい場合は、一息入れてから行って下さい。

カイロは、温かくなるのが表面だけですし、
低温火傷の可能性もあるので避けた方が良いです。

温めるタイプのアイピローなどが市販されています。
蒸しタオル程の効果は期待できませんが、
夜そのまま寝てしまう時など、
状況によって利用されると良いでしょう。

(調体和塾 ”い座”でも小豆枕を取り扱っています。
毒素を吸収しやすい天然の小豆を使い、
殺菌効果のあるベンガラ染めのカバーです。
是非、お問い合わせ下さい。)

長くなってきたので、一度ここで休憩を入れて、
続きは次回にいたします。

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