大学を卒業し、一般の中小企業に就職した。
ここは普通の建築金物の会社でした。
その頃は、整体をやりたいと思っていたのですが、
生活費や勉強する費用が要るので、常識の中に潜り込んで生活したのでした。
そして整体の勉強を始めた。
教えて頂いたのは、空手部のOBの先輩でもあるが、前述の方とは別の方である。
気功やボディーワーク、イメージワークなどにも詳しい先生でした。
その授業の中で、出てきました。「野口体操」。
『原初生命体としての人間』を紹介された。
紹介された本は、とりあえず読んでみようと思っていたのもあり、購入して読んでみた。
難しい…。
前半で何度も挫折しそうになり、前に戻って読み返す、を繰り返す。
なんとか前半と突破すると、これが面白い!!
今まで読んだ本の中で最も衝撃を受けた。
書かれていることは分かり、納得でき、野口三千三の哲学の中にはまり込んだ。
しかし、実際の動きとしてどうなのかが分かる程、
身体に対する感覚が鋭く、深く自分で探れる感性は持ち合わせていない。
どこか野口体操をやっている所はないかと気になっていた。
当時は、インターネットですぐに探せるということもできず、
気になりながらも他のことでバタバタしていた。
整体を出張でやり始め、「カルチャー教室の講師登録なんか良いんじゃないか」と
知り合いに聞いてそういった情報を探していた頃だったか。
難波の学習センターで、教室案内や、芝居の公演、カルチャー講座などの
チラシが置いてある棚の前で一枚のチラシに眼が止まった。
パントマイム教室のチラシを見つけた時と同じように。
それは、「とりふね舞踏舎」の三上宥紀夫先生に
年に数回来ていただいて、ワークショップを行い、
それ以外は、自分たちで研鑽するという、稽古会のチラシでした。
確かに、野口体操と書いてある!これは行かねば!
ということで、
弁天町の学習センターでやっている教室に参加するようになりました。
それほど参加人数がいるわけでもなく、
じきに馴染むことができた。
これは、「続けていれば、そのうち大きな顔をできるようになるのではないか」と
下心も出ましたが、何より、
三上先生のワークショップで自分の動きを確認し、
「原初生命体としての人間」と照らし合わせていくのが面白かった。